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学生の頃は内科に強い関心をもっていた。Harvard Medical School(医学大学院)在学中は,3年間循環器内科の教授のラボで基礎研究を行い,学位論文のタイトルは“Calcium homeostasis in cultured chick myocardial cells”だった。Medical schoolの3~4年目(日本の医科大学の5~6年目相当)のクリニカルクラークシップに回ってからは,ほとんどの臨床科に興味をもった。各科の非常に優秀な先生が貴重な時間を割いて教えてくださったからだと思う。眼科もそのなかの楽しい経験の1つだった。
卒業後,最初の1年間は内科のインターンシップを選び,Massachusetts General Hospitalで働いた。3日に1回で2人体制の当直があり,当直の夜はほとんど寝ることがなかった。病棟業務はチームで行い,1つのチームは3年目の医師(senior resident)1名,2年目の医師(junior resident)3名,1年目の医師(intern)3名,それにクラークシップ中の3~4年生(学生)数人で構成されていた。チームすべての業務のチェック,指導および全体の責任者はファカルティの先生(attending physician,日本では講師以上の教師に相当する医師)であり,毎日朝7時頃からチームのメンバーが彼/彼女とともに回診を行い,新しく入院した患者のプレゼンテーションや他の患者のケアについてのカンファレンスを行った。おおむね正午くらいにカンファレンスが終了すると,前夜当直だった先生と学生が帰宅するルールになっていた。よく生き抜いたと思うほどハードなスケジュールにもかかわらず,楽しい思い出しかない1年であった。しかもその1年間に経験した症例がきっかけで,眼科に入ることを決めた。
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