特集 地域で医師を育てる 地域保健・医療研修で何をするか
地域の指導医が語る
診療所研修で私が伝えたいこと
白浜 雅司
1
1三瀬村国民健康保険診療所
pp.415
発行日 2004年5月1日
Published Date 2004/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414100887
- 有料閲覧
- 文献概要
地域の国保診療所で約10年,200名を超す学生の診療所実習を受け入れた経験から,地域保健・医療研習で診療所に来る研修医には,以下の3点を伝えたい.卒後臨床研修では2年目の研修医を1カ月単位で受け入れることになる予定だが,研修医と診療所の双方にとってメリットのある研修にしたいと願っている.
患者の生活を支える地域での医療保健福祉の連携
従来の卒後臨床研修の中心であった大学病院や3次病院の病棟中心の研修では,特殊な病気の診断や重症患者の治療が中心で,実際には一番多い,病気が安定した後のフォローや,脳卒中で障害が残った人がどのように社会復帰していくかなどについては,知らないままで研修を終えることが多かったのではなかろうか.そして,そのことが,回復可能な病気や難しい病気の診断にはエネルギーを注ぐが,病気を持ちながらも生活している患者の立場については今ひとつ関心が薄い医師を育てていたと思う.ぜひ,地域で患者の生活を支える視点を学んでほしい.
Copyright © 2004, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.