特集 地域で医師を育てる 地域保健・医療研修で何をするか
地域の指導医が語る
診療所で私はこう教えたい
湯浅 美鈴
1
1勢和ファミリークリニック
pp.422
発行日 2004年5月1日
Published Date 2004/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414100893
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私は,2003年10月から三重大学総合診療部の教育協力機関である勢和ファミリークリニックで診療を始めている.私が医学教育に興味をもつようになったのは,自分が受けてきた教育によるところが大きく,今度はその恩返しをしたいという気持ちからである.素晴らしい教育を受けた時の感動は,今でも忘れられない.
当クリニックに来る研修医たちには“地域医療のおもしろさ”を少しでも伝えられたらと思う.診療所で患者さんを診るだけでなく,往診をしたり,地域に講演に行ったりと,医療の場はさまざまである.また診療所では,家族全員のありとあらゆる健康問題に関わるため,傷の縫合,子どもの発熱,おばあさんの腰痛と,次にどんな患者さんを診ることになるかわからない.そして,地域にはそれぞれの文化があり,その地域にあった医療のニーズを見つけ,対応していく柔軟性も要求される.そんな生の“生活する患者さんたち”とともに過ごす医師の姿を見て,何かを感じてほしい.さらに,当クリニックでは地域医療の幅を広げるために,今までの経験を生かして乳癌,子宮頸癌検診を始めている.そんな新たなる試みも,ぜひ見てほしい.
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