在宅医療技術の進歩(第7回)
在宅医療における栄養評価
小野沢 滋
1
1亀田総合病院在宅医療部
pp.646-651
発行日 2003年7月1日
Published Date 2003/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414100664
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在宅患者の栄養の問題
在宅医療の現場で,対象者や介護者から「食欲が最近なくなってきた」という話をよく聞く.脳梗塞患者の嚥下障害の問題,痴呆患者の栄養摂取不足の問題,末期がん患者やCOPD(chronic obstructive pulmonary disease : 慢性閉塞性肺疾患)患者の低栄養,悪疫質の問題など,私たちは日常的にさまざまな栄養の問題と向き合う必要がある.そして,在宅医療の対象者の多くを占める,要介護状態の高齢者の30~40%が蛋白質・エネルギー低栄養状態(protein energy malnutrition : PEM)にあるといわれ,このPEMの早期発見と予防こそが,在宅医療での栄養管理を考えるうえで最も重要なことである.
本稿では,高齢者の低栄養をターゲットにして,在宅医療の現場で比較的簡単にできる栄養評価の方法について述べたい.
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