聖路加国際病院Terminal Care Conference(第29回)
びまん性汎細気管支炎の終末期の57歳女性
外岡 暁子
1
,
蝶名林 直彦
1
,
三宮 由美子
1
,
高屋 尚子
1
,
小松崎 朗子
1
,
高畠 由佳
1
,
那須 英紀
1
,
青木 和裕
1
,
西村 直樹
1
,
市丸 みどり
1
,
竹見 敏彦
1
,
岡田 定
1
1聖路加国際病院
pp.558-567
発行日 2003年6月1日
Published Date 2003/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414100645
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症例呈示
外岡(担当医) 患者様は57歳の女性です.ご主人と2人暮らしで,お子さんはいらっしゃいません.38歳で結婚し,50歳頃まで義理の両親の介護に追われ,自分のことはできずにいたということで,その後は趣味を楽しむなどしていましたが,すぐに病気が増悪したため闘病生活となりました.手紙のやり取りをする友人が多いということです.
現病歴ですが,30歳時にびまん性汎細気管支炎(DPB)と診断され,97年に在宅酸素療法,99年には肺炎をきっかけに夜間NPPV(noninvasive positive pressure ventilation)が導入されました.以後,1カ月に一度以上,呼吸状態悪化による入退院を繰り返しており,2002年3月にミニトラック造設,5月に気管切開を実施した後,終日人工呼吸器による在宅生活を送っておられました.2002年8月から約3カ月,呼吸状態悪化のため入院されました.この時,家族,主治医,訪問看護などで話し合いが行われ,2~3週間ごとに,呼吸状態悪化前に短期に予定入院を行う方針となりました.2002年11,12月には定期チェック目的で入院されています.
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