Japanese
English
綜説
閉塞性細気管支炎とびまん性汎細気管支炎
Bronchiolitis Obliterans and Diffuse Panbronchiolitis
杉野 圭史
1
,
本間 栄
1
Keishi Sugino
1
,
Sakae Homma
1
1東邦大学医療センター大森病院呼吸器内科
1Department of Respiratory Medicine, Toho University Omori Medical Center
pp.1139-1148
発行日 2010年11月15日
Published Date 2010/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404101579
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はじめに
閉塞性細気管支炎(bronchiolitis obliterans;BO)は,主に小気管支から膜性細気管支レベルの気道内腔が肉芽組織や線維性組織で著しく狭窄・閉塞した状態で,臨床的には細気管支の閉塞は不可逆的であり,予後は極めて不良である.一方,BOの類縁疾患としてびまん性汎細気管支炎(diffuse panbronchiolitis;DPB)をはじめとする副鼻腔気管支症候群や関節リウマチに合併する細気管支炎,HTLV-I関連細気管支・肺胞異常症(HTLV-I associated bronchiolo-alveolar disorder;HABA),嚥下性細気管支炎などが挙げられるが,特にDPBにおいては,14員環マクロライド剤の少量長期療法が導入されて以来,著しい予後の改善が得られている.
本稿ではBOおよびDPBの疾患概念を明確にし,さらに臨床,画像,病理学的特徴の類似点および相違点に注目して解説する.さらに最近われわれが検討したBOの肉眼的,組織学的再構築により明らかになった病理形態学的特徴についても概説する.
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