特集 健診で異常を指摘された人へのベストガイド
【一般健康診断での異常】
一般健康診断での異常―貧血検査
日野 理彦
1
1呉共済病院内科
キーワード:
平均赤血球容積
,
網状赤血球
,
末梢血の血球形態
,
骨髄検査
,
原因疾患
Keyword:
平均赤血球容積
,
網状赤血球
,
末梢血の血球形態
,
骨髄検査
,
原因疾患
pp.328-331
発行日 2003年4月1日
Published Date 2003/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414100585
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Case
自覚症状がなく,健診で貧血のみ指摘されて診断に至った多発性骨髄腫の1例
患 者:73歳,男性.
既往歴:72歳の時,胆石症.
現病歴:1年前に軽度の貧血を指摘されていた.今回健診で著しい貧血を指摘された.
身体所見:眼瞼結膜に貧血を認めた.
検査所見:Hb 8.7 g/dl,RBC 268×104/μl,Ht 26.8%,WBC 8,550/μl,Plt 32.0×104/μl,MCV 100.0 fl,MCH 32.5pg,MCHC 32.5%,赤血球の連銭形成(+),骨髄検査で骨髄腫細胞が30.6%,血清蛋白免疫電気泳動でIgA(k)型M蛋白を認めた.
貧血の診断の進め方
病歴と身体所見
健康診断で貧血を認めた患者の精査において,詳細な病歴の聴取と身体所見の把握は重要である.病歴のポイントは,①動悸・息切れなど貧血症状の有無,②いつから貧血があるか,③発熱の有無,④感染症の有無,⑤胸腹部症状,⑥尿・便の性状,⑦性器出血,痔出血および鼻出血の有無,⑧体重変化,⑨既往歴,⑩胃切除などの手術歴,⑪内服薬,⑫家族歴,などである.
身体所見は,①浮腫,②心雑音,③リンパ節腫大,④甲状腺腫大,⑤肝脾腫,などに注意する.
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