特集 血液疾患をプライマリ・ケアではどこまで診て,どのように専門医と連携をとるべきか?
診断・治療方針決定のために専門医へ速やかに紹介することが望ましい場合
LDH上昇と網状赤血球上昇を伴う貧血
平川 結梨
1
,
北尾 章人
1
1神戸大学医学部附属病院腫瘍・血液内科
キーワード:
網状赤血球
,
溶血性貧血
,
自己免疫性溶血性貧血
,
血栓性血小板減少性紫斑病
Keyword:
網状赤血球
,
溶血性貧血
,
自己免疫性溶血性貧血
,
血栓性血小板減少性紫斑病
pp.2130-2134
発行日 2021年12月10日
Published Date 2021/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402227942
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Point
◎LDHと網状赤血球の上昇を伴う貧血では,出血あるいは溶血性貧血を考える.
◎溶血性貧血を疑うときは,間接ビリルビンや尿中ウロビリノーゲンの上昇,ハプトグロビンの低下の有無を確認する.
◎溶血性貧血にはさまざまな病因があり,治療のためには病因の確定が重要である.
◎自己免疫性溶血性貧血の治療の第一選択は副腎皮質ステロイドであるが,不応・不耐の場合には,免疫抑制薬や脾摘に加え,近年ではリツキシマブの有効性が示されている.
◎溶血性貧血に血小板減少を伴うときは,血栓性血小板減少性紫斑病の可能性を念頭に,速やかに専門医へ紹介する.
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