聖路加国際病院Terminal Care Conference(第27回)
米国で進行期胃癌の治療を受け,終末期に帰国した39歳女性
岡島 由佳
1
,
西田 智佳子
1
,
太田 大介
1
,
川名 典子
1
,
中村 めぐみ
1
,
出雲 博子
1
,
市丸 みどり
1
,
岡田 定
1
1聖路加国際病院
pp.177-184
発行日 2003年2月1日
Published Date 2003/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414100550
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岡田(司会) 今月のターミナルケア・カンファレンスを始めたいと思います.「米国で進行期胃癌の治療を受け,終末期に帰国した39歳女性」のケースで,内科病棟からPCUに移られた患者さんです.内科病棟で担当されていた岡島先生,プレゼンテーションをお願いします.
症例呈示
岡島(担当医) 患者さんは39歳の女性です.背景ですが,3人兄妹の末子でした.高校時代に交換留学でアメリカに行かれました.そのきっかけは,「小学校,中学校と規則で縛られていて,このままでは楽しめない,日本にいられない」ということでした.その後,アメリカの地が肌にとても合ったということで,そのまま大学に進学し,大学卒業後もアメリカで法律関係の事務所に勤務されていました.さらに,通訳の職を経て,アメリカの航空会社でフライトアテンダントとして働いておられました.2002年になって胃癌と宣告され,6月に日本に帰国されました.それまでは,アメリカで親代わりとなる日本人の夫妻のもとで暮らしておられ,帰国後はご両親と3人で生活されていました.
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