聖路加国際病院Terminal Care Conference(第31回)
急な敗血症性ショックを合併した終末期白血病の79歳の男性
小林 美和子
1
,
櫻井 健司
1
,
岡田 定
1
,
学生A
1
,
竹見 敏彦
1
,
西田 知佳子
1
,
学生B
1
,
学生C
1
,
加藤 恵子
1
,
市丸 みどり
1
,
太田 大介
1
1聖路加国際病院
pp.895-901
発行日 2003年10月1日
Published Date 2003/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414100724
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症例呈示
小林(担当医) 患者さんは79歳の男性です.会社の社長で,妻と2人暮らし,数年前に長男を尿管癌で亡くされています.性格は,やや神経質な面があります.
現病歴は,2002年6月に人間ドックにて汎血球減少症を指摘され,9月に精査目的で入院し,骨髄異形成症候群(MDS : myelodysplastic syndrome)と診断されました.以後,ご本人の希望により化学療法は行わず,外来でプレドニン(R)の投与にてフォローされていました.2003年3月に白血病化を認めたため,化学療法導入目的で入院し,CAG療法(キロサイド(R),アクラシノン(R),G-CSF)を14日間行い,全身状態の回復をみて退院されました.
同年4月,突然の左側腹部痛があり,再度入院されました.ハイドレア(R)の追加投与で経過観察され,本人の希望もあり5月9日に退院されました.しかし5月16日になり,再び前日から左側腹部痛,食欲不振が出現したため,本人の不安,家族の希望もあり,入院となりました.
入院後,左側腹部の痛みはすぐに軽減しました.そのことから,精神的な要素も強いと判断されました.疼痛はレペタン(R)でコントロールし,白血病については前回入院時より続けられているプレドニン(R),スタラシド(R),ハイドレア(R)を基本とした化学療法が行われました.
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