特集 アレルギーの臨床―第一線での診断と治療
花粉症の診断と治療
榎本 雅夫
1
,
池田 浩己
1
1日本赤十字社和歌山医療センター耳鼻咽喉科
キーワード:
くしゃみ・鼻漏型
,
鼻閉型
,
重症度
,
通年性・季節性
,
症状発現時期
Keyword:
くしゃみ・鼻漏型
,
鼻閉型
,
重症度
,
通年性・季節性
,
症状発現時期
pp.124-127
発行日 2003年2月1日
Published Date 2003/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414100536
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Case
初期療法を行い2002年のスギ花粉シーズンを軽症で経過しえた症例
患 者:34歳,女性,会社員.
既往歴:幼児期にアトピー性皮膚炎.
家族歴:母,弟がスギ花粉症.
現病歴:7年前から,毎年2~4月にかけて,頻発するくしゃみ発作,水性鼻汁,鼻づまり,流涙,眼そう痒感などがあり,各種の治療を受けるも,毎年この時期には仕事が満足にできない状態であった.2002年1月末に初期療法を希望して来院.塩酸フェキソフェナジン60 mg×2錠を,この時期から内服するように,投与した.飛散スギ花粉数は例年よりも多いにもかかわらず,花粉飛散中の本剤の内服とステロイド点鼻薬(プロピオン酸フルチカゾン)の頓用のみで,軽症にて花粉シーズンを過ごすことができた.
花粉を吸うことで,反復するくしゃみ発作,引き続き起こる多量の水性鼻汁,鼻閉,目のかゆみ,流涙,頭痛などの症状を伴う眼や鼻に起こるアレルギーを花粉症という.のどのかゆみや異物感や咳,喘息,皮膚のかゆみなどの症状を伴うこともある.生命に影響することはまずないが,日常生活に大いに支障をきたす厄介な病気である.日本では,約60種の花粉症が今までに報告されているが,その中でも2~4月に大量に飛散するスギ花粉によって起こるスギ花粉症は,国民の約16%が悩んでいると推定され,日常臨床で重要な疾患であるので,スギ花粉症を中心にその診断と治療について述べる.
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