特集 実践!家族アプローチ
【総論】
家族志向のケア
大塚 亮平
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1WindRose Health Network Hope Family Health Center
キーワード:
生物心理社会的アプローチ
,
家族図
,
家族の強み
,
ソーシャルサークル
,
医療者のなかの家族
Keyword:
生物心理社会的アプローチ
,
家族図
,
家族の強み
,
ソーシャルサークル
,
医療者のなかの家族
pp.798-802
発行日 2012年11月15日
Published Date 2012/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414102645
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家族アプローチとは,臨床家が目の前の患者「個人」を,より大きな枠組みである「患者の家族」も視野に入れて関わっていく方法である.このアプローチはケアの対象となる患者やその背景をよく知ること,さらには患者に対してより効果的な診療をするための考え方であり,患者中心の医療に他ならない.患者を家族という枠組みのなかでとらえるのは,「家族が患者の健康の強力なリソースであり,時としてリスクになりうる」からである.現代では家族の形態が多様化しているが,本稿での家族とは「生物学的,感情的,法的のいずれかによって結びついている集団」という定義に基づく.
本稿では,最初に家族アプローチの原則を紹介し,次に家族アプローチを実践するための基本的な方法論や考え方を紹介したい.
家族志向のプライマリ・ケアを先駆的に取り組んでいる米国ロチェスター大学家庭医療科のMcDanielらによると,「家族志向のケア」には以下に述べる4つの原則がある.
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