特集 病院と家庭医療
周生期医療と家庭医療
新井 隆成
1
1金沢大学医学部附属病院 周生期医療専門医養成センター
pp.889-892
発行日 2008年10月1日
Published Date 2008/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541101301
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「周生期」とは,妊娠,出産,新生児,乳児期を1つの包括した期間として捉えた造語である.この期間を次世代育成の極めて重要度の高い医療領域であると認識し,これらの領域におけるプライマリケアと,高い専門性に対応できる幅広い知識・技能を有する医師の養成・充実を図ることを目的に作られたのが,文部科学省の平成18年度「地域医療等社会的ニーズに対応した質の高い医療人養成推進プログラム」で選定された「周生期医療専門医養成支援プログラム」(以下,周生期プログラム)である.
医師不足から医療事情の悪化が深刻な周生期医療を担う専門医をどのように養成するか,またどのような診療能力を周生期医療専門医は身につけるべきなのか.医学生―初期研修―後期研修という一貫した教育体制についてプログラムの構築を進めていく中で,北米において周生期医療の一端を担っている家庭医の存在を知るに到った.今,日本,特に地域が抱える医師不足診療科や医師の不適正配置問題への具体的な対策を検討するうえで,北米で機能している家庭医療と各専門領域との協力関係は,大いに参考となる医療体制のあり方であると考える.
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