明日からできる「物忘れ外来」【第4回】
アルツハイマー病診断のコツ④―検査を上手に利用しよう
川畑 信也
1
1成田記念病院神経内科
pp.588-592
発行日 2006年7月1日
Published Date 2006/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414100382
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アルツハイマー病の特徴を再確認しよう
前回まで3回にわたってアルツハイマー病診断のポイントを述べてきました.もう1度,アルツハイマー病について復習しておきましょう.表1は,アルツハイマー病の特徴を簡単にまとめたものです.アルツハイマー病は,下記のような臨床像をもつ脳の病気です.
①40~90歳の間で発症し,年齢が進むに従い増加していく疾患である.80歳代後半では,4人に1人が認知症(大部分はアルツハイマー病)とも推定されている.
②物忘れ(記憶障害)で発症することが多く,経過に従って進行・悪化していく特徴がみられる.
③物忘れ=アルツハイマー病ではない.物忘れに加えて見当識障害や計算障害,理解力の低下,行動障害などその他の症状がみられることが必要.
④自分が病気になっているという認識(病識)に欠ける,または乏しい.
⑤末期に至らなければ,首から下の症状(歩行障害や片麻痺など)はみられない.
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