レビューでわかる! いまどき診療エビデンス 10
効果的なダイエット
船山 秀昭
1
1船山内科
pp.593-597
発行日 2006年7月1日
Published Date 2006/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414100383
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以前の肥満症は標準体重近くまで減らすことに主眼がおかれていたが,最近は5~10%の減量により糖尿病,高血圧,高脂血症などのリスクが減少し,ひいては心血管系疾患の発症を減らせることが明らかにされ,肥満症の治療は肥満に伴う合併症の改善へと考え方が移行しつつある.したがって本稿で扱う「ダイエット」は,体重すなわち体脂肪量の減少にあり,肥満に起因する疾患を解消ないし改善することのできる質問のみをとりあげた.
Q1 「グラフ化体重日記」はどのような有用性があるのですか?
過去にさまざまな減量法に挑戦しても達成できなかった肥満者に「グラフ化体重日記」をつけさせるとうまくいくことがある.日記をつけることにより第3者の視点から自分を見つめ直す機会となり,毎日体重を測定し現実と向き合うことにより,自分の行動パターンに気付くからである.具体的には起床直後,朝食直後,夕食直後,就寝直前の1日4回体重を測り,折れ線グラフにし,その波形や規則性から食行動やライフスタイルの問題点を視覚に訴えようというものである.起床時の体重が前日の起床時に比べて増加したか減少したかが最も重要なポイントであり,体重が減少すればそれが報酬となり行動変容が強化されるとしている1).しかし4回の測定記録が煩わしいとする者も少なくないため,筆者は体重測定を1日2回とし,日内変動すなわち朝食前と就寝前の体重差を重視している.
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