レビューでわかる! いまどき診療エビデンス 5
慢性ウイルス性肝炎の管理
三浦 英明
1
,
山田 春木
1
1社会保険中央総合病院内科
pp.165-169
発行日 2006年2月1日
Published Date 2006/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414100241
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B型慢性肝炎の治療法はどのように変わりましたか?
B型肝炎ウイルス(hepatitis B virus:HBV)による慢性肝炎に対する治療法は,インターフェロン(IFN)長期投与の認可,核酸誘導体の導入やその耐性ウイルス対策と,ここ数年で大きく変化しました.本稿ではB型慢性肝炎の治療法の変遷を述べ,患者さんの状況に合った薬物の選択が可能となった現状について述べてみたいと思います.
1976年にIFNがB型慢性肝炎の治療薬として有効であることが報告され,わが国でも1986年に同薬剤が認可されて以来,B型肝炎治療の主流となってきました.しかしながら保険診療上の制約から28日間の連続投与法しか認められていなかったため,その治療効果は決して満足のいくものではありませんでした.一方,欧米では長期投与法が標準的であり,その治療成績もHBe抗原のセロコンバージョン率が30~40%と良好であることが報告されていました.これをふまえてわが国でも2000年4月より6カ月間の長期投与が認められるようになり,IFN治療がさらに中心的役割を担うと思われていました.
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