増刊号特集 泌尿器科 病棟管理マニュアル
Ⅱ.ベッドサイド検査の実際
ウロダイナミックス
谷口 成実
1
,
金子 茂男
1
Narumi Taniguchi
1
,
Shigeo Kaneko
1
1旭川医科大学泌尿器科
pp.83-89
発行日 2002年3月30日
Published Date 2002/3/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413904583
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1 はじめに
ウロダイナミックスとは,尿の運送の仕組みを明らかにする学問および検査を意味する。ここでは,その中の下部尿路の機能評価を中心に述べる。下部尿路における排尿,蓄尿機能の異常は,排尿困難,頻尿,尿失禁,尿意切迫感,残尿感という多彩な症状で表現される。また,その原因に脳脊髄疾患や末梢神経疾患のみならず,前立腺肥大症を含む下部尿路通過障害や,加齢による変化,服用中の薬剤,排尿習慣や神経疾患も加わる可能性がある。さらに,疾患によっては,脊髄損傷のように発症からの時期によって症状が移り変わる場合もある。そこで,個々のそれぞれの時期に応じた病態の把握が,診察および治療に必要であり,この手段の一つとして,ウロダイナミックスが用いられる。
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