特集 最新の手術器械を使いこなす
特集によせて
村井 勝
1
1慶應義塾大学医学部泌尿器科
pp.799
発行日 2001年9月20日
Published Date 2001/9/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413904500
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「泌尿器科学」は「外科学」の一部であり,そのsubspecialtyであることは論を俟たない。したがって,治療面で手術が重視される外科系の専門分野としての近代泌尿器科学の歴史は比較的浅いといえるが,その短い歴史のなかで着実に進歩・発展を遂げている。特に過去10年余りの泌尿器科学の進歩は目覚ましいものがあり,医学全体が目指しているminimally invasive treatmentの流れに沿って大きく変化している。
他の手術を専門とする領域と同様に,この分野では新しい手術機器がたくさん出てきている。すなわち,電気メス,はさみなどの手術機器から,マイクロ波や超音波,さらにはレーザーエネルギーを用いた凝固切開装置,また吻合ないし縫合を目的とする器械など様々なものが出現している。これら多くの器械には,当然のことながら素晴らしい長所のほかに欠点がある。その機器を熟知し,その短所や欠点を十分に理解したうえで,注意しながらその長所を100%引き出すことによって,新しい機器の特色を生かすことができるようになる。それにより手術時間の短縮や出血量の減少,合併症の減少がはかられ,結果として患者にやさしいminimally invasive surgeryが達成できる。
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