小さな工夫
コンドーム装着カテーテルを用いた膀胱瘻造設術—安全に膀胱穿刺するために
栗崎 功己
1
,
原田 勝弘
1
1諏訪赤十字病院泌尿器科
pp.692
発行日 2001年7月20日
Published Date 2001/7/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413903319
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両側尿管膀胱逆流,萎縮膀胱,脊柱前屈など膀胱に十分な尿が溜められなかったり,体型的な問題で盲目的な恥骨上膀胱瘻造設が危険な症例に対し,われわれは先端にコンドームを装着したカテーテルを用いて安全に膀胱の位置を超音波で確認する方法を考案した。
症例は両側尿管膀胱逆流のため腎盂腎炎を繰り返している男性で,膀胱造影では50mlほどで両側にIII度のVURを認めた。14Frのサフィードカテーテルの先端に,根元のゴムを切除したコンドームを装着し,絹糸で2か所固定した。コンドームの根元を固定する糸は,カテーテルに針をかけて抜けないようにし,糸の一端は長めに残しておく。カテーテルを膀胱に留置したのち,カテーテルから造影剤入り生理食塩水(生食)を注入する。コンドームを膨らませることにより,VURを起こさずに膀胱容量を得ることができ,超音波や透視下で膀胱の位置を確認することができた。
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