Japanese
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手術手技 外来小手術のコツ
膀胱瘻の造設術
Cystostomy
西村 泰司
1
Taiji Nishimura
1
1日本医科大学泌尿器科学教室
1Departmet of Urology, Nippon Medical School
pp.525-526
発行日 1980年6月20日
Published Date 1980/6/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413202962
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- Abstract 文献概要
膀胱瘻の適応となるほとんどの症例において,膀胱はトラカール穿刺が可能なほど十分に拡張しているか,または拡張させることができ,また最近は簡便で性能のよい種々のディスポーザブル・トラカールが開発されているので,手術的に膀胱瘻をおくまでもなくトラカールでことたりる場合がほとんどであると思われる。さらに非常用に常備されているトラカールすら,尿道操作の進歩とその普及のため使用されることは極めて稀であるのが現状であろう。手術的膀胱瘻の適応となる症例も,膀胱瘻をおくより理想的には骨盤内腫瘍に対してはむしろ尿管皮膚瘻などの尿路変更を,また尿道外傷に対しては,諸家によつて意見が異なるが,いわゆるprimary repairを行なうというように,まさに手術的膀胱痩の適応となる症例は極めて少ないのではないかと考える。
以前の手術などにより変形をきたしたり,周囲組織との癒着のある膀胱でトラカールの適応とならない症例は,外来での小手術というより,むしろ本格的な手術室での手術の適応となるであろう。
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