増刊号特集 泌尿器科外来診療—私はこうしている
Ⅰ.主訴からみた診断指針
腫瘤(腹部,鼠径部・陰嚢)
後藤 俊弘
1
Toshihiro Gotou
1
1鹿児島大学医学部泌尿器科
pp.13-17
発行日 2000年3月30日
Published Date 2000/3/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413902881
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腫瘤は患者自身が,あるいは乳幼児では両親がそれを触知することによって発見されることが多い。しかし,近年では超音波検査をはじめ,CTscan, MRIなどの画像診断法の進歩によって,体外から触知できない腫瘤が発見される機会も増加してきた。このような症例も含めると,腫瘤性病変として発見されるのは腫瘍,嚢胞,貯留嚢腫,炎症性腫瘤,動脈瘤などの病的なものと,正常臓器の腫大や位置異常などである。したがって,腫瘤性病変の診断に際しては,その由来(本態)を明らかにして,治療の要否や緊急性の有無を的確に判断することが大切である。
ここでは,①腫瘤性病変の診断手順,②腫瘤の存在領域別にみた鑑別疾患,③泌尿器科領域の腫瘤性病変の鑑別ポイントを概説する。
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