小さな工夫
舟状窩嵌頓結石に対する超音波結石破砕器とペアン鉗子のみによる安全,迅速な砕石術
三浦 剛史
1
,
西村 泰司
1
1日本医科大学附属千葉北総病院泌尿器科
pp.1015
発行日 1999年11月20日
Published Date 1999/11/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413902796
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舟状窩の嵌頓結石に対する砕石は,内視鏡を用いた場合は外尿道口から近すぎ,かつ,尿道粘膜が浮腫を伴っているため内視鏡の挿入や灌流液の注入が困難で,決して容易な手技ではない。また,外尿道口切開による砕石は侵襲が大である。筆者らは,同結石に対する超音波結石破砕器とペアン鉗子のみによる安全,迅速な砕石術を考案したので紹介する。
症例は51歳,男性で,6か月前から舟状窩に嵌頓した結石に気づいていたが,排尿可能なため放置していた。排尿困難および排尿痛が著しくなったため,当科を受診した。陰茎部単純撮影にて,舟状窩に2.7×2.0cmの結石を認めた(図1)。当初,内視鏡下で超音波結石破砕器にて砕石しようと試みたが,外尿道口の狭窄と浮腫のため超音波結石破砕器用の内視鏡の挿入が不可能であった。そこで,内視鏡を用いず超音波結石破砕器の端子のみを尿道に挿入し,図2のように結石の中央部に穴を作ることを試みた。次に,結石中央部にできた空間にペアン鉗子を挿入し,その先端を開くことで結石を砕き,尿道粘膜を損傷することなく,同鉗子で結石を全て除去した。出血は極めて軽微であった。
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