実態をさぐる
最近の血液事情
pp.54-55
発行日 1969年7月10日
Published Date 1969/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662204469
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昭和44年5月初旬,千葉大付属病院でおよそ常識では考えられない医療過誤がおこった。吸引用ポンプの操作(ゴム管接続)を誤って,静脈に空気を流しこまれ,意識不明となった青年の事件である。このことが報道されたのが5月7日。それ以降献血者の数は急速に減った。
ただでさえ最近,献血が減りがちでありしかも血液需要はますますのびようとしているさなか,この事件は,大きな影響を与えた。新聞によれば,葛飾赤十字血液センターに,某工高から献血の申し込みがあった例が,予定の30%しか採血できず,岐阜では当分献血見合わせの申し入れ,埼玉では川口市内の業者組合から中止,取消しの申し入れ(いずれも5月7日から10日)と,一般市民の反応はきわめてきびしかった。
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