小さな工夫
前立腺全摘除術後バルーンカテーテルが抜けないときのスタイレットを用いた抜去法
大澤 秀一
1
,
西村 泰司
1
1日本医科大学附属千葉北総病院泌尿器科
pp.458
発行日 1999年5月20日
Published Date 1999/5/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413902675
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前立腺全摘除術において,膀胱・尿道吻合に先だって膀胱頸部の縫縮が行われるが,縫縮の程度は術者によって異なる。術後の尿失禁の有無は,尿道や外尿道括約筋を術中に損傷しないことや外尿道括約筋の発達の程度によることが大きいが,膀胱頸部を尿道の太さ程度に縫縮することも,尿失禁の防止に役立つとの意見もある。
筆者らは,膀胱頸部を内径7mm程度に縫縮し,術後18日目に20Fヘマチュリアバルーンカテーテルの抜去を試みたがカテーテルは微動だにしなかった症例を経験した。針糸をカテーテルにかけてしまったかと思うほどで,用手的に15分間持続牽引したが抜去できず,創部ドレーンの穴に組織が食い込んでドレーンを抜去できなかった際に500gの牽引(1時間程度)で抜去できた過去の記憶に基づき同方法も試みたが不成功であった。
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