Japanese
English
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
緒言
近年,泌尿器科に限らず各科領域において膀胱へカテーテルを留置する患者は増加する傾向にある。その際に使用されるカテーテルは,大体バルーンカテーテル(Foleyカテーテル)が使用されることが多い。留置されているバルーンカテーテルを抜去するには,このバルーンの水を抜いてやればよいのであるが,稀にこの水が抜けないためにカテーテルも抜去不能となる場合が起こりうる。泌尿器科医としてこのような場面に遭遇したり,他科の医師から相談を持ち込まれたりした経験は一度や二度はあると思われるが,こういつた場合の処理は実際にはいろいろな工夫を試行錯誤して解決していかざるを得ないであろう。従来より抜去不能なバルーンカテーテルの処置法についての報告が散見されるが,一つの論文としてまとまつたものはあまり見かけない。そこで今回われわれは,当科で経験したいくつかの症例と著者のひとりが高山赤十字病院在職中に経験した症例1)をあわせて紹介し,文献上得られた方法についてもまとめて報告する。また,処置の一手段として人為的にバルーンを破裂させることも考えられるが,この場合の弊害について簡単な実験を行つたので,この結果もあわせて報告する。
We experienced several different methods for removal of undeflatable balloon catheters which were indwelt in the patients with some difficult urination and comparison was made among various technics which have been described in the literature.
A small in vitro study was done to estimate the possibility of producing balloon fragment after mechanical rupture. Various kinds of one hundred and eleven balloon catheters having been used by patients for 1-14 days were tested.Twenty five balloons were ruptured by overdistension filling water to the maximum volume, and balloon fragments were obtained from thirteen balloons (52%).
Copyright © 1982, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.