小さな工夫
根治的前立腺全摘除術後の尿道カテーテル抜去困難を起こさないために
西澤 恒二
1
,
小林 恭
1
1浜松労災病院泌尿器科
pp.88-89
発行日 2004年1月20日
Published Date 2004/1/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413100450
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根治的前立腺全摘除術後,膀胱尿道吻合部の尿路造影後に尿道バルーンカテーテルを抜去する際,固定水を十分に吸引しても多少の抵抗があり,スムーズに抜去できないことがある。吻合糸がカテーテルに絡んで抜去困難が起こるのではないかとの指摘は以前にもされているが1),その原因と対処についての考察は詳しくは述べられていない。そこで今回われわれはこのトラブルの原因とそれを防止するための小さな工夫を考察した。
われわれは膀胱尿道吻合部にはカフが大きくかつ注入路からガイドワイヤーを挿入できる3wayカテーテルを使用している。ところが術後の膀胱造影の際,透視下で見るとあたかも膀胱壁に固定されたかのように抜去困難になることを2度経験した。幸い回転させながら引くと,軽い衝撃の後抵抗なく抜去できた。吻合糸をカテーテルに縫いこんだ可能性を考えたが,抜去後のカテーテルに異常所見を認めなかった。
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