Urological Letter
前立腺内仮尿道内に嵌頓したバルーンカテーテルの抜去,他
pp.798,805
発行日 1970年9月20日
Published Date 1970/9/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413200993
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最近1人の患者を診たが,これらの器具を使い慣れない一般外科医によつて糸状ブジーとその接続カテーテルを間違つて挿入され,そのためにできた前立腺内の仮尿道内にバルーンカテーテルが入れられ,バルーンが膨ませてあつた。このカテーテルは,鼠蹊ヘルニアの修復手術のあと,まだ麻酔がさめないうちに入れられたのであつた。バルーンは5mlだけ膨まされていた。
尿が流出しないので,泌尿器科医が診断を頼まれた。行つてみると麻酔はすでに醒めて,患者は激しい痛みを訴えていた。バルーンカテーテルの膨らみを除こうとしたができなかつた。これは恐らくバルーンを膨ますチューブの内腔が圧迫されているためであろうと考えた。そこでエーテルや鉱物油を注入したり,尿管カテーテルに使うスタイレットを挿入してみたが不成功に終わつた。直腸内指診でもバルーンを触診することはできなかつた。
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