手術手技 基本手技・5
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真崎 善二郎
1
,
長山 忠雄
2
1佐賀医科大学泌尿器科
2千葉県がんセンター
pp.402-404
発行日 1999年5月20日
Published Date 1999/5/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413902663
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宮尾らの術式はradical nephroureterectomyとして記載しておられるとおり,radicalityを重視する場合に行われるべきものと思われ,筆者も浸潤性腎盂腫瘍の場合には原則的にほとんど同様の術操作を行っている。ただし,上部尿路上皮腫瘍といってもvariationが多いため,この治療に当たっては次のようにそれぞれの状態に合わせて術式を少しずつ変えていくのが望ましい。さらに,腎癌に比し平均で10歳くらい高齢であることが多いので,高齢者に対しては侵襲をできるだけ小さくするよう努め,根治性にある程度目をつぶらざるを得ないことも少なくない。したがって,腎癌のように経腹的にアプローチすることはそれほど多くなく,またinter-aotocavalのリンパ節郭清を行うことは少ない。
実際の手技としては,第12肋骨は切除することが多いが,胸腔はできるだけ開けないよう留意し,また尿管摘出のためには下腹正中切開にてアプローチしている。下部尿管摘除に当たっては,閉鎖臍動脈を結紮・切断し膀胱側壁を十分内側に圧排できるようにした状態で行うとやりやすい。膀胱部分切除は全例に行うのではなく,下記のような変法を用いることが多い。
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