増刊号特集 泌尿器科画像診断
Ⅲ.疾患別画像診断
4.先天異常
(4)尿道
尿道弁
島田 憲次
1
,
細川 尚三
1
,
東田 章
1
,
森本 康裕
1
Kenji Shimada
1
1大阪府立母子保健総合医療センター泌尿器科
pp.264-266
発行日 1999年3月30日
Published Date 1999/3/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413902605
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1 はじめに
後部尿道あるいは前部尿道に代成された先天性尿道弁は,さまざまな程度の下部尿路通過障害を引き起こす。なかでも先天性後部尿道弁はその大多数を占めており,通過障害が高度なものほど出生後早期に症状が出現する。
新生児期・乳児期早期に発見される症例の臨床症状としては,拡張した膀胱による腹部膨隆や尿閉,尿路感染が多くみられる。また,1か月健診の際に体重増加不良や貧血などの腎不全症状で病態が発見されることもある。通過障害の程度が軽い症例では,学齢期まで続く昼間遺尿の精査で,はじめて発見されることもある。一方,産科領域の超音波診断法の普及にともない,出生前に発見される症例も散見されるようになり,これらに対する周産期管理の方法についても話題になっている1)。
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