増刊号特集 泌尿器科手術における合併症管理のすべて
Ⅱ.術式別にみた術中・術後合併症の管理
E.小児の手術
尿道下裂形成術
島田 憲次
1
,
松本 富美
1
,
原田 泰規
1
,
内藤 泰行
1
Kenji Shimada
1
1大阪府立母子保健総合医療センター泌尿器科
pp.216-221
発行日 2001年3月30日
Published Date 2001/3/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413903218
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1 はじめに
尿道下裂形成術の術式はこれまで300種類,あるいはそれ以上の方法が発表されており,現在もなお100種類程度が実際に使用されている。このように多数の術式が現在も臨床応用されているという事実は,とりも直さず各術者が日々工夫を重ね,独自の新しい方法を考案し,その合併症がより少なくなるよう模索していることにほかならない。20年前には二期手術が標準の術式であり,形成尿道の先端も冠状溝部につくられ,それで可とされていた。しかしその後の手術技術上の進歩は目覚ましく,マイクロサージャリー手技の応用による亀頭部尿道形成と,陰茎屈曲の病態の解明により,今日では一期的形成術が標準術式となっており,機能的かつ形態的に「正常」な陰茎を形成することが目的となっている。
本稿では,尿道下裂形成術の合併症を便宜上,(1)術中と患児が退院するまでの手術直後,そして(2)退院後の2つの時期に分け述べてみる。
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