増刊号特集 泌尿器科画像診断
Ⅵ.メディカルエッセイ
尿管結石とESWL
高本 均
1
1倉敷成人病センター泌尿器科
pp.254
発行日 1999年3月30日
Published Date 1999/3/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413902601
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尿管結石は泌尿器科外来で最も多い疾患の1つであり,その診断は臨床症状とKUB上の石灰化陰影と腎部USでの腎盂腎杯の拡張により容易である。しかし,X線陰性結石や仙腸関節部と重なった中部尿管結石は,その診断にDIP,CT,さらにはRPなどの画像診断を要することがある。その際,DIPやCTはよく行われるが,RPはやや侵襲的な検査であり,技術と時間を要するため,忙しい外来では必要と思われても省略される場合がある。
最近,血尿と蛋白尿で紹介された72歳の男性で,KUBで左仙腸関節部に結石を疑う6×6mmの石灰化陰影を認めた症例を経験した。しかし,USで左水腎はなかった。膀胱鏡検査で膀胱内に出血巣はなく,5分経過しても尿管口からの尿流出はなかった。DIPで両側腎盂腎杯の造影がやや淡いが,左水腎はなかった。左上部尿管は造影されているが中部尿管は造影されず,石灰化陰影との関係が判然としなかった。ところが,CTでは仙腸関節上縁から約3cm下方で左尿管に一致して直径3mm大の石灰化陰影があり,尿管結石の可能性ありと診断された。そこでESWLが予定された。しかし,ESWLで尿管結石を治療する場合,尿管結石であると確定診断することが絶対条件である。そこで念のためにRPをすることとし,結石が確認されればそのまま経尿道的尿管結石砕石術(TUL)を行う予定で入院となった。
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