文献抄録
腎杯小結石に対するESWLの応用
pp.640
発行日 1988年7月20日
Published Date 1988/7/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413204793
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一般に腎杯小結石は尿流障害の原因と考えられないので,患者が背部や側腹部に痛みを訴えても,泌尿器科医は外科的処置を考えない。しかし今までにも腎杯小結石を摘除後に患者が疼痛から解放された報告はしばしばあり,最近ではBrannen(1986)らは,36例の非閉塞性腎杯小結石を経皮的に摘出して,34例に疼痛から解放されたと報告している。
著者らは1985年12月から1986年11月までに,結石患者446名をESWLにて治療したが,そのうち22名が非閉塞性の腎杯小結石(1cm以下)であって,いずれの患者も背部側腹部の疼痛を訴えていた。疼痛の激しい例ではしばしば鎮痛剤が用いられたり,日常の仕事を長期にわたって中断された例もある。22名の結石患者で,結石は総数43個で,左腎杯21個,右腎杯に22個で,結石の大きさは0.2〜1cmであり,上腎杯5個,中腎杯11個,下腎杯27個であった。ESWLは18KVで平均1.152SWの治療を行った。
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