増刊号特集 泌尿器科画像診断
Ⅲ.疾患別画像診断
4.先天異常
(2)尿管
膀胱尿管逆流
近田 龍一郎
1
,
坂井 清英
1
,
千葉 裕
1
,
折笠 精一
1
Ryuichiro Konda
1
1東北大学医学部泌尿器科
pp.238-243
発行日 1999年3月30日
Published Date 1999/3/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413902597
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1 はじめに
膀胱尿管逆流(vesicoureteral reflux:VUR)とは,尿管から膀胱へと一方通行であるはずの尿が,逆に膀胱から尿管・腎へ逆流する現象をいう1〜3)。乳幼児期に尿路感染を契機に発見されることが多く,急性腎盂腎炎に罹患した小児の22〜70%に逆流が発見され,1歳以下ではその頻度が高い。最近では,在胎や新生児・3か月検診でのUSで発見される例が増加している。3歳以上では,頻尿や切迫尿失禁,夜尿といった排尿異常を主訴に発見される例が約40%ある。
男女比は,小児全体ではほぼ同等であるが,1歳以下に限ると男児に多い。成人では,ほとんどが女性であり,主として尿路感染の再発を契機に発見される。男性の場合は,尿蛋白や腎機能障害の精査の過程で偶然発見されることが多く,高度の腎障害を伴っていることがほとんどである。
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