増刊号特集 泌尿器科治療薬マニュアル—私の処方箋
疾患別薬剤投与プロトコール
感染症
膀胱尿管逆流
公文 裕巳
1
,
小野 憲昭
1
1岡山大学医学部泌尿器科
pp.130-132
発行日 1993年3月30日
Published Date 1993/3/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413900872
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膀胱尿管逆流(vesicoureteral reflux:VUR)は、膀胱内の尿が膀胱の充満時あるいは排尿時に尿管,腎盂,さらには腎実質内に逆流する病的現象であり,尿管膀胱接合部の逆流防止機構の不全により起こる。
膀胱への進入細菌が逆流によって容易に腎まで上行するために,VURは反復性の腎盂腎炎の重要な基礎疾患のひとつである。さらに,尿の腎内逆流と細菌感染にともない腎皮質に不可逆性の瘢痕を生じ,逆流性腎症(reflux nephropathy)と呼ばれる病態を呈し,一部の症例では慢性腎不全に進行する。
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