交見室
がん告知について,他
三浦 猛
1
1神奈川県立がんセンター泌尿器科
pp.711-713
発行日 1998年8月20日
Published Date 1998/8/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413902405
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本誌52巻1号に掲載された鈴木康之先生の「癌告知後,妄想を伴ったうつ状態を呈し自殺した尿路上皮腫瘍の1例」(臨泌52:37-39)および52巻7号の交見室での井口正典先生の「がん告知について思うこと」(臨泌52:539)を拝読し,私も意見を述べさせていただきたいと思います。
私の病院はがんセンターであり,来院する患者は原則としてがん専門病院と認識して受診していると考えられますので,一般の病院とは少し事情が異なると考えています。さて,井口先生のご意見には全く同感で,私も「告知」という言葉は好きではありません。「告知」とは本当の病名を説明することなのですが,どなたかもっとよい表現(言葉)があればお教えください。そして,お互いの信頼関係の中で適切な5W1Hが大切であるとのご意見にも同感です。患者に本当の病名を説明するやり方は1人1人異なりますが,基本的にはできるだけ早い時期にわかりやすい言葉で繰り返し段階的に伝えるべきですし,その反応を家族を含め,関係する医療従事者が温かく見守る必要があります。
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