連載 死にゆく患者と、どう話すか—國頭先生の日赤看護大ゼミ講義録[4]【最終回】
がんの告知を考える
國頭 英夫
1
1日本赤十字社医療センター化学療法科
pp.562-571
発行日 2016年10月15日
Published Date 2016/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1430200129
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
がんの告知をはじめて
私が上司の部長と一緒に、世に言う「がんの告知」をはじめて、周囲から好奇の目にさらされたのは25年くらい前のことです。今では日本でも、がんの告知はもちろんのこと、患者本人に面と向かって「あなたはあと半年くらい」とか平気で告げるようになりました。
私の国立がんセンター病院時代の同僚で、膵臓がんを専門にしているのがいます。膵臓がんは非常にたちの悪い病気で、彼はずっと、予後の短い患者さんに病状をどう説明しようかと悩んでいた。ところが最近はその苦労がなくなったらしい。紹介されてくる時点で、前の医者から「あんたはもうあと3ヶ月」とか引導を渡されてしまっているから、だそうです。
Copyright © 2016, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.