小さな工夫
尿管腎盂重積法(順行性)によるエンドパイエロトミー—簡単な切開方法
坂本 亘
1
,
吉本 充
2
1大阪市立総合医療センター泌尿器科
2大野記念病院泌尿器科
pp.447
発行日 1998年5月20日
Published Date 1998/5/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413902350
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エンドパイエロトミーは,腎盂内から狭窄部の腎盂尿管移行部を直接に切開する手術である。しかし,腎盂尿管移行部は固定されたものではなく,切開刀に力を加えると移動するために切りにくく,力を入れないと切ることができない。このため,エンドパイエロトミーは初心者にとっては意外と難しく,一定の成績を得るには経験が必要である。
筆者らは,Geletら1,2)が報告した尿管腎盂重積法(逆行性)を順行性に変更し,エンドパイエロトミーを施行している。この方法は,初心者でも十分な切開が可能である。Geletらは,逆行性に挿入した尿管バルーンを狭窄部の直下で膨らませ,腎瘻から鉗子で尿管バルーンの先を把持し,上方に引き上げることで尿管を腎盂内に重積させている。筆者らは,あらかじめ通してあるガイドワイヤーに被せて,尿管バルーンを腎瘻から狭窄部直下まで順行性に挿入し,狭窄部の直下で膨らませ(図a),外から尿管バルーンを牽引して尿管腎盂を重積させている(図b)。牽引のための鉗子は不要である。また,力加減ならびに方向の調節も簡単である。
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