Japanese
English
臨床報告
イレウス管が誘因となった順行性腸重積症の1例
A case of anterograde intussusception due to a long intestinal tube
三口 真司
1
,
小橋 俊彦
1
,
眞次 康弘
1
,
中原 英樹
1
,
漆原 貴
1
,
板本 敏行
1
Masashi MIGUCHI
1
1県立広島病院一般外科
キーワード:
腸重積
,
イレウス管
,
腸閉塞
Keyword:
腸重積
,
イレウス管
,
腸閉塞
pp.1711-1714
発行日 2010年12月20日
Published Date 2010/12/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407103362
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要旨:症例は86歳,男性.20年前に胃潰瘍にて胃切除術を施行していた.下腹部痛と嘔吐を主訴にイレウスの診断で入院となり保存的治療を開始した.第7病日にイレウス管を約30cm自己抜去したため元の位置まで再挿入した.第8病日に腹痛の再燃,イレウス管から血性の排液を認め,CTで小腸重積症と診断し緊急手術を施行した.Treitz靱帯より約50cmの上部空腸が20cmほど肛門側に重積していたため,重積腸管を切除した.イレウス管の再挿入による刺激のため腸管蠕動が亢進し,口側腸管輪状筋の痙性収縮が弛緩した肛門側腸管に嵌入して重積が生じたと推測した.イレウス管自己抜去時の再挿入は,腸重積をきたす危険性があることを念頭に置くべきである.
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