増刊号特集 膀胱全摘除術と尿路変向術のすべて
Ⅴ 手術手技
1.基本手技
腸管の処理
松島 正浩
1
Masahiro Matsushima
1
1東邦大学医学部第2泌尿器科
pp.63-72
発行日 1998年3月30日
Published Date 1998/3/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413902269
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はじめに
膀胱全摘除術に伴う尿路変向術の進歩には目を見張るものがあり,術後の患者の生活の質も著しく改善されてきている。尿管皮膚瘻術,尿管S状結腸吻合術,回腸導管造設術,尿禁制型尿路変向術,膀胱再建術など20世紀の後半の,特にここ4半世紀の尿路変向術の進歩は顕菩である1)。吻合用スティプルやメッシュなどの人工異物を使用せず,かつ自排尿できる新膀胱が完成されたことは,膀胱全摘除術を必要とする患者にとり福音である2)。ただし,尿路変向術の真価が判明するのは,術後10年を経ても腎機能障害などが発生しないことが立証されてからであると信じている。
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