交見室
嫌煙医師からの提言一学会での分煙化または喫煙室の設置を/小腎細胞癌の血流診断
高井 計弘
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1東京大学医学部附属病院分院泌尿器科
pp.614-615
発行日 1997年7月20日
Published Date 1997/7/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413902121
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先日,第85回日本泌尿器科学会総会が盛況の下に有意義に行われた。しかし私は,今もくしゃみ,鼻水がひどく,自宅で鼻を真っ赤にしている。私には強烈なタバコアレルギーがあり,喫煙者と同席すると次第に鼻閉感,咽頭痛,流涙,咳,くしゃみ,頭痛に襲われる。そのため私は,学会場のロビーや廊下にタバコの煙が流れていると,たびたび息を止め,どこでも良いからとわき目もふらずに手近な部屋に逃げ込んだ。懇親会には3年目の時に一度だけ出席したが,もう10数年出ていない。私は学会には大いに興味はあるが,会場は地獄である。強烈な嫌煙家である私は,タバコに対する非難は見境がなくなってしまうが,できるだけ理性を持って以下の提言をしたい。
喫煙家の大半は良い人であるにもかかわらず,歩きながら吸い殻を"ポイ"と捨て,院内禁煙の張り紙の下でも堂々とタバコを吸う。喫煙は男の甲斐性とばかりに,先輩の前でも構わず,後輩の前なら何のためらいもなく煙の嵐である。日本男子の喫煙率はいまだに60%以上であり,開発途上国のそれよりもやや低い程度である。
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