増刊号特集 術者からみた局所解剖
Ⅳ 女性の骨盤腔と尿道の局所解剖
膀胱膣瘻閉鎖術
村石 修
1
Osamu Muraishi
1
1自治医科大学泌尿器科
pp.198-202
発行日 1997年4月30日
Published Date 1997/4/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413902056
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膀胱膣瘻閉鎖術に必要な骨盤腔内の局所解剖は比較的単純であり,一般的解剖学教科書から得られる知識で十分と思われるが,この手術をどのような症例でも失敗なく行うためには骨盤腔以外の解剖学的知識が必要と考えられる。
膀胱膣瘻の原因の大部分は外傷性(医原性)であり,特に婦人科手術と婦人科での放射線治療などが膀胱膣瘻の原因の70〜80%であるとされ,膀胱膣瘻の治療法としては,小さな瘻孔が適応となる非開放手術と,一般的に「膀胱腟瘻閉鎖術」が意味するところの開放手術がある。非開放手術では,経膀胱的あるいは経膣的に行う電気凝固やフィブリン接着剤注入法がある1,2)。ここでは,まず開放手術としての一般的膀胱腟瘻閉鎖術に必要な局所解剖を解説し,次に大きな膀胱膣瘻や放射線治療後の膀胱膣瘻閉鎖の場合に適応となる生体材料を補填する術式のうち,筆者が行っている術式に関連する局所解剖について解説する。
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