手術手技 基本的な手術・14
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吉川 和行
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1東北大学泌尿器科
pp.470-471
発行日 1995年6月20日
Published Date 1995/6/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413901529
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- 文献概要
鳶巣先生の回腸利用の新膀胱形成術の原稿を読ませていただきました。教室では男性に対する新膀胱に10年ほど前までは回盲部腸管を用いていましたが,最近は手術が5〜6時間で終わるS状結腸を用いており,回腸のみを用いた新膀胱の経験はありません。しかし,鳶巣先生も述べておられるように,術後の新膀胱機能を最善にするために注意することは基本的には同じであろうと思っています。そこで,今までの経験をふまえた筆者らの新膀胱に対する考え方と鳶巣先生のお考えと異なる点について述べさせていただきます。
膀胱の機能は蓄尿,排尿,尿禁制の3つからなり,正常な膀胱の満たすべき条件とは,ある程度の量の尿を貯めることができ,いつでも随意に円滑に残尿なく自排尿ができ,しかも,尿失禁がないことであろうと考えます。膀胱全摘除術後の新膀胱にもこうした生理的な条件を満たすことが求められますが,現在のところその条件を最も満たしていると考えられるのが腸管利用の新膀胱形成術であり,今後も発展して行くだろうとお考えの鳶巣先生の意見には同感です。
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