小さな工夫
老人性痴呆患者における膀胱瘻管理の工夫
丸 典夫
1
,
熊田 恵介
1
1聖路加国際病院泌尿器科
pp.82
発行日 1995年1月20日
Published Date 1995/1/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413901374
- 有料閲覧
- 文献概要
老人性痴呆や脳血管障害を基礎疾患にもつ患者の尿路管理法の一つとしての膀胱瘻留置カテーテルは,尿道留置カテーテルに比較し尿道憩室,尿道皮膚瘻など種々の合併症が少ないことから多くの患者に用いられている。しかし基礎疾患に基づく判断能力の低下や下腹部の違和感のため,頻回にカテーテルを自己抜去し,介護の家族や主治医を悩ませる患者も多い。そこでこのような頻回に自己抜去を試みる患者に対して,できるだけコストがかからず,なおかつ自己抜去に際して膀胱や皮膚への損傷を少なくするためのカテーテルを自作した。導尿するためのカテーテルとしては,マレコータイプを短く切断して用いた。このタイプのカテーテルは膀胱内部への突出部が短く,膀胱刺激症状も少ないという利点もある。カテーテルの上部を安全ピンで留めて固定し,これにより膀胱内への落下を防止している。
Copyright © 1995, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.