Japanese
English
綜説
膀胱癌の発生と細胞膜表面糖鎖の異常
Early Changes of Sugar Chains on Carcinogenesis of the Bladder Epithelium Membrane
竹中 生昌
1
Ikumasa Takenaka
1
1香川医科大学
1Department of Urology, Kagawa Medical School
キーワード:
膀胱腫瘍
,
癌関連抗原
,
細胞形質膜
Keyword:
膀胱腫瘍
,
癌関連抗原
,
細胞形質膜
pp.367-374
発行日 1993年5月20日
Published Date 1993/5/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413900947
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細胞の分化異常あるいは癌化に先立って出現する変化として,細胞極性の変化,細胞接触制御因子の消失,さらには自律的細胞増殖の出現などがあげられている。こうした変化の主体は,癌遺伝子の関与とともに,外界情報の受容あるいは細胞相互の認識過程において細胞形質膜,特に糖鎖が重要な役割を演じていることが明らかにされてきている1〜3)。
最近は分析技術の進歩により細胞表面糖鎖の検出が可能となり,分子レベルでの細胞の生理的情報が得られるようになった4)。膀胱癌においても血液型関連抗原を用いて,癌組織における糖鎖異常の研究がここ10数年来報告されている。
今回 N-butyl-N-(4-hydroxy-butyl)nitorosamine(以下BBN)による実験的膀胱癌の誘発過程における早期の細胞表面糖鎖の経時的変化を,光顕ならびに電顕レベルで免疫組織化学的に検討したので,その成績を報告するとともに,膀胱癌関連抗原について最近の文献を紹介する。
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