増刊号特集 泌尿器科治療薬マニュアル—私の処方箋
疾患別薬剤投与プロトコール
内分泌疾患
原発性アルドステロン症
塚本 泰司
1
,
熊本 悦明
1
1札幌医科大学泌尿器科
pp.180-181
発行日 1993年3月30日
Published Date 1993/3/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413900898
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原発性アルドステロン症とその診断
CTスキャンあるいは超音波検査法などの画像診断法の進歩,普及に伴い副腎腫瘍が偶然に発見される機会が増加していることは周知の事実である。これまでに報告されたこのようないわゆるincidentalomaでは臨床的に内分泌非活性の副腎皮質腺腫,副腎嚢腫あるいは内分泌活性の褐色細胞腫の頻度が高いことが示されている。一方,原発性アルドステロン症はほとんどの場合臨床的な症状あるいは所見を伴う。原発性アルドステロン症は広義にはその原因としてアルドステロン産生腺腫,特発性アルドステロン症,糖質グルココルチコイド反応性アルドステロン症,アルドステロン産生副腎皮質癌などを含む。これらの中では当然アルドステロン産生腺腫の頻度が高いが,特発性アルドステロン症が全体の15%〜35%を占めるとする報告もある。
一般にアルドステロン産生腺腫の場合は腺腫の大きさが2.0〜2.5cm以下の場合が多く,当科での69例においても2〜2.5cm以下の大きさの腺腫が全体の70%を占めていた。したがって,CTスキャンを行う場合は撮影のスライス幅を0.5mm間隔にするなどの工夫が必要である。なお,当科での経験ではCTスキャンによる腺腫の正診率は100%,副腎シンチグラムでは91%であった。
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