増刊号特集 泌尿器科診療の最新スタンダード―平成の常識は令和の非常識
内分泌疾患
原発性アルドステロン症
酒井 英樹
1
1長崎大学大学院医歯薬学総合研究科泌尿器科学
pp.190-193
発行日 2020年4月5日
Published Date 2020/4/5
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413206888
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以前の常識
・スクリーニング検査の対象は高血圧症例全例であり,血漿レニン活性(PRA)と血漿アルドステロン濃度(PAC)を同時に測定し,PAC/PRA比(ARR)>200をカットオフ値としていた.
・スクリーニング検査陽性の場合,3つの機能確認検査(カプトプリル試験,フロセミド立位試験,生理食塩水負荷試験)のうち2種類以上を行い,確定診断を行っていた.
・副腎静脈サンプリング(AVS)によるアルドステロン産生腺腫局在診断の指標として,ACTH負荷後の副腎静脈PAC>1万4000pg/mL,lateralized ratio(LR)≧2.6またはcontralateral ratio(CR)<1が推奨されていた.
現在の常識
・スクリーニング検査の対象は,原発性アルドステロン症が高頻度にみられる高血圧患者であり,ARR>200+PAC>120pg/mLの組み合わせによるスクリーニングが推奨されている.
・スクリーニング検査陽性の場合,4つの機能確認検査(カプトプリル試験,フロセミド立位試験,生理食塩水負荷試験,経口食塩負荷試験)のうち,少なくとも1種類の陽性を確認することが推奨されている.
・AVSによる局在診断においては,LR>4かつCR<1をカットオフ値として手術適応を決定することが推奨されている.
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