増刊号特集 泌尿器科治療薬マニュアル—私の処方箋
疾患別薬剤投与プロトコール
感染症
結核
加藤 幹雄
1
1埼玉医科大学泌尿器科
pp.128-129
発行日 1993年3月30日
Published Date 1993/3/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413900870
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結核治療の現況
尿路性器結核の罹患率が1970年代後半より急激に減少したこととあいまって,ほぼ同時期より治療法についての論議は限られたものとなっている。これは現在主に用いられる二者もしくは三者の併用化学療法によって,一般的には治療困難例が認められないことを意味しよう。また尿管狭窄に伴う手術適応も内視鏡的手段の進歩に伴って減少している。適切な薬剤の投与期間や,その点と密接に関連した手術療法の適否に対する問題は,長い論議を経て,最近は一年未満の投薬期間で,特別な例を除き手術は併用しないとする見解が多く認められるが,完全に定説とはなり得ていない。症例数が限られ,耐性菌出現頻度が各国間で異なることなどを考慮すると,当分の間これらの点についての意見の一致が見られないことも予想される。
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