増刊号特集 泌尿器科治療薬マニュアル—私の処方箋
疾患別薬剤投与プロトコール
腫瘍
G-CSF
片岡 達治
1
1癌研癌化学療法センター
pp.104-105
発行日 1993年3月30日
Published Date 1993/3/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413900860
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処方の現況と問題点
泌尿器癌化学療法においても他領域の癌の化学療法と同じく,dose limiting factorは好中球減少となることが多い。G-CSFはその回復のための画期的薬剤として他領域と同様,泌尿器科領域においても実績をあげつつある。MVACを含めて化学療法剤の種類に関係なくG-CSFは好中球回復に効果を示すので,広く普遍的に今後も使用されることになるであろう。
他方でG-CSFの処方についての問題点も出てきている。もともとG-CSF投与には2つの期待があった。好中球減少による感染症の防止と,休薬期間の短縮による化学療法効果の増強であった。第一点については基本的にはその目的は達せられている。ただし本来感染症が問題となるのは好中球が極度に減少した場合であって,例えばそれは骨髄移植時のように限られたケースになる。通常の化学療法でそこまで顆粒球減少をもたらすことは稀であろう。
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