今月の臨床 新しい薬物療法をさぐる
話題の薬剤
19.G-CSF, OSF
根岸 能之
1
1東京医科大学産婦人科
pp.66-67
発行日 1994年1月10日
Published Date 1994/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409901581
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婦人科悪性腫瘍とくに卵巣癌に化学療法を行う際に,しばしば好中球減少がみられやむなく治療を中止する場合がある.これは過去に化学療法を行った症例に強い傾向がみられる,その解決策として,CSFを用いて好中球減少を防ぎ感染症を予防する方法および自家造血幹細胞移植術(periph—eral blood stem cell transplantation:PBSCT,autologous bone marrow transplantation:ABMT)にCSFが用いられるようになった.CSFにはG-CSF, M-CSF, GM-CSFがあり,おのおのの特徴を簡単に記す.
G-CSF(顆粒球コロニー刺激因子,レノグラスチム:ノイトロジン,フィルグラスチム:グラン)分子量約20,000の糖蛋白質で顆粒球系前駆細胞に特異的に作用し,好中球への分化・増殖を促進し好中球数を著しく増加させる.副作用はきわめて少なく臨床的に最も有用性が高い.
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