小さな工夫
尿路結石の疝痛発作に対する腰骨部局所ブロック
原田 浩
1
,
佐藤 聡秋
1
1市立稚内病院泌尿器科
pp.80
発行日 1993年1月20日
Published Date 1993/1/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413900780
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尿路結石の治療法として現代は体外衝撃波砕石術,経皮的腎砕石術などの最新のエンドウロロジー全盛の時代であり,泌尿器科医としてこれらは修得すべき手技であるが,一方これら治療に至る過程において,疝痛発作に対する対症療法ももちろんおろそかにはできない。通常鎮痛にはブスコパンなどの鎮痙剤,非ステロイド系鎮痛剤や非麻薬系の鎮痛剤が用いられているが効果発現までに時間を要する点やその鎮痛効果にも限度があり,実際疝痛がほとんど改善しない患者がなお苦悶表情を呈している機会に遭遇する場合が意外に多い。硬膜外ブロックは完全除痛をもたらすが,当科ではその前にまず腰背部の局所ブロックにてその場の疝痛の早期除去を試みている。以下その手技を紹介する。
患者を腹臥位とし患側の大腰筋外側縁で第3腰椎横突起の高さ付近に存在する圧痛点を指圧などにより確認し,その周囲の表皮,皮下に10ml程度の局所麻酔剤(主にキシロカイン)を浸潤麻酔するだけである。手技は極めて簡単であるが効果は驚くほど即効性であり,しかも他の鎮痛剤が効果を現わすまで十分な時間有効であるため当施設では本手技を用いてからは硬膜外ブロックを施行したことがない。また同部位の指圧と併用するとより効果的である。
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